17生活保護の「水際作戦」とは? 行政書士が教える具体的な対処法
生活保護の『水際作戦』とは?
行政書士が教える具体的な対処法

生活保護の申請を検討されている方が最も恐れることの一つに、福祉事務所による『水際作戦』があります。
この言葉は、生活保護法や憲法で保障された国民の権利であるはずの生活保護の申請を、福祉事務所の職員が違法・不当な手段で拒否したり、申請を諦めさせたりする行為を指します。まるで、申請者を岸に上げさせないように押し返す様子に例えられています。
水際作戦は、生活に困窮し、心身ともに疲弊している申請者にとって、非常に大きな精神的負担となります。
福祉事務所が用いる具体的な『水際作戦』の4つの対応例

水際作戦とされる事例には、いくつかの典型的なパターンが存在します。
これらの事例を事前に知っておくことで、窓口で冷静に対処できるようになります。
① 不当な申請書交付の拒否
窓口で生活保護の申請を希望した際、職員が以下のような理由を挙げて『あなたは申請する資格がない』と一方的に判断し、申請書の交付を拒否するケースです。
・『まだ売れる資産(車、貴金属など)があるため、それが先です』
・『親族に援助を求めるのが優先です』
【現実】
生活保護法第7条には『申請保護の原則』があり、国民には申請する権利があります。
職員は、相談者が申請意思を示した場合は申請書を交付し、受理しなければなりません。受給の可否は、その後の調査で判断されるものです。
②扶養照会を理由にした申請の断念の誘導
親族への扶養照会(援助の可否確認)は原則として行われますが、職員がこの手続きによって親族に迷惑がかかる可能性を不当に強調し、申請を思いとどまらせようとする事例です。
・『ご親族に知られたくないのなら、申請は難しいとお考えください』
【現実】
DVや虐待の過去、音信不通、経済的困窮など特別な事情がある場合、扶養照会は行わなくても良いとされています。
これらの事情を十分に確認せず、一律に照会を強調するのは不当な対応です。
③ 申請受理を遅らせる過剰な書類要求
申請に必要な書類は定められているにもかかわらず、それに加えて取得が非常に困難な資料の提出を求め、申請手続きを煩雑にすることで申請者を疲弊させるケースです。
・『過去数年分の通帳の写しや、親族全員の最新の収入証明が必要です』
【現実】
必要最低限の書類が揃っていれば、福祉事務所は申請を受け付ける義務があります。
追加の資料要求は、申請を受け付けた後に行われる調査の中で調整されるべき事項です。
④ 意図的な申請意思の無視とすり替え
申請者が『生活保護の申請をしたい』と明確に伝えているにもかかわらず、職員が『生活の相談』という名目で時間を引き延ばし、申請書を渡さずに帰宅させようとします。
・『今日は書類の準備ができていないので、後日改めて来てください』
【現実】
申請の意思を表明している時点で、職員は遅滞なく申請書を交付しなければなりません。
申請書を渡されない場合は、口頭でも申請の意思を伝えることで記録を残すよう促すことが可能です。
行政書士が教える「水際作戦」への具体的対処法

生活保護の申請権は、誰もが持っている大切な権利です。
もし窓口で不当な対応に遭遇した場合でも、冷静に以下の対処法を実行してください。
① 強い意思表示と記録の確保
申請書の交付を拒否されたり、申請を断念するよう促されたりした場合は『私は生活保護を申請したい。申請書を交付してください』と、明確な意思を繰り返し伝えましょう。
・可能であれば、スマートフォンなどで会話のやり取りを録音し、不当な対応の証拠を残してください。
② 申請書の「口頭提出」を主張
申請書を渡してもらえない場合は、『申請は口頭でもできると聞いています。口頭で申請しますので、受理してください』と、その場での受理を強く主張しましょう。
・これにより、福祉事務所は申請を受理したという記録を残す必要が生じます。
行政書士に「同行」を依頼する
効果的な対処法は、専門家である行政書士に申請に同行してもらうことです。
・行政書士は、福祉事務所の職員に対し法律に基づいた適切な対応を求め、お客さまの権利が侵害されないよう保護します。
・手続きを熟知した行政書士が同行することで、職員が不当な対応を行うことが困難になり、申請がスムーズに受理される可能性が格段に高まります。
まとめ:一人で悩まず、専門家と踏み出す一歩
生活保護の申請は、人生の再スタートです。
その一歩目を不当な対応によって阻まれてはなりません。
当事務所では、お客さまが尊厳を持って安心して申請できるよう、受給資格の確認から申請書類の作成代行、そして福祉事務所への同行・同席まで、最初から最後まで徹底的にサポートいたします。
現在、生活に困窮されている方は決して一人で悩みを抱え込まず、初回無料相談をご利用ください。
あなたの生活再建への道を、行政書士が全力でサポートします。

