24行政書士が解説する生活保護の基本【生活保護申請は「世帯単位」が原則】
それってホント?行政書士が解説する生活保護の基本
【生活保護申請は「世帯単位」が原則】
はじめに:なぜ「世帯単位」で申請するのか?

生活保護を申請したいと考えている方から、「私だけが困っているから、私一人だけ申請したい」というご相談をいただくことがあります。しかし、生活保護の申請と受給の判断は、原則として「世帯(せたい)単位」で行われます。
この「世帯単位の原則」は生活保護制度の根幹をなす重要な考え方であり、保護の要否や保護費の額を決定する上で欠かせません。この原則を理解していないと、申請がスムーズに進まらなかったり、思わぬ誤解が生じたりする原因になります。
本記事では、千葉県流山市を拠点とする行政書士が、生活保護における「世帯単位の原則」とは具体的にどういうことなのか、そしてその例外や注意点について、分かりやすく徹底的に解説します。
1.「世帯単位の原則」とは?
生活保護法において、生活保護は「その個人又は世帯の生活を保障するもの」と定められています(生活保護法第1条)。ここでいう「世帯」とは、同じ住居に住み、生計を一つにしている人々の集まりを指します。
「世帯単位の原則」とは、この世帯全体をひとつの単位として捉え、以下の2点を判断するというルールです。
1:保護の要否(受給資格があるかどうか)の判断
世帯全体で、国が定める最低生活費(基準額)に満たない生活状況であるかを判断します。世帯員全員の収入、預貯金、不動産などの資産を合算し、世帯全体で最低生活費を賄えるかどうかを審査します。
2:保護費の決定
保護が決定された場合、世帯の人数や構成(年齢、健康状態など)に基づき算定された最低生活費から、世帯の収入(年金、給与、手当など)を差し引いた差額が、世帯に対する保護費として支給されます。
つまり、世帯の中に一人でも働ける人や資産を持つ人がいれば、その人の能力や資産を活用して世帯全体の生活を維持できると判断され、原則として世帯全員が保護の対象外となる可能性があるということです。
2.世帯分離や「例外的な単身申請」は可能か?

「世帯単位の原則」があるため、「世帯分離をして、困っている自分だけが申請する」という相談も多く聞かれます。
住民票上の世帯分離と生活保護上の世帯
住民票上の「世帯分離」をしたとしても、生活保護の審査においては、同じ住居で生計を共にしている実態があれば一つの「世帯」と見なされます。
生活保護の判断は、あくまで生活実態(生計が同一か、共同生活を送っているか)に基づいて行われます。単に役所の手続きで世帯を分けただけでは、生活保護上の「世帯単位の原則」を避けることはできません。
例外的に「単身申請」が認められるケース
原則は世帯単位ですが、以下のようなケースでは、例外的に世帯から切り離して、個人での保護申請(単身申請)が認められることがあります。
・入居施設への入所
病院や介護施設、更生施設などに世帯員の一部が入所し、生計が完全に分離した場合。
・DVや虐待からの避難
配偶者や家族からの暴力(DV)や虐待を理由に、緊急的に避難し、他の世帯員との交流・扶養が期待できない場合。
・音信不通など
長期にわたり音信不通で、実質的に生計が分離している、または扶養義務の履行が期待できない場合。
特にDVや虐待からの避難の場合、申請者の安全確保が最優先されます。ただし、これらはあくまで例外的な措置であり、その判断は福祉事務所が個別の状況を調査し、総合的に行います。
3.世帯単位の申請で注意すべきポイント
世帯単位で申請する場合、以下の点に特に注意が必要です。
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世帯員全員の資産・収入の開示義務
申請時には、世帯員全員の預貯金、生命保険、不動産、自動車などの資産状況、および給与、年金、手当などの収入状況を正直に申告する義務があります。これを怠ると不正受給につながります。 -
扶養義務者への照会
世帯単位で申請しても、生活保護法では親族(配偶者、直系血族、兄弟姉妹など)に対して扶養の可否が照会されます。世帯員以外の親族に連絡が行く可能性があることを理解しておく必要があります。 -
世帯員の就労指導
世帯の中に働く能力のある人がいる場合、その人には原則として能力に応じた就労が求められます。
まとめ:不安があれば行政書士にご相談ください
生活保護の申請は人生を立て直すための重要な一歩ですが、「世帯単位の原則」をはじめとする資産や収入の取り扱い扶養照会など、複雑なルールが多くあります。
「うちの家族構成で、本当に申請できるのだろうか?」「例外的な単身申請が認められるのだろうか?」といった疑問や不安をお持ちの方は、一人で悩まず専門家である行政書士にご相談ください。
当事務所は千葉県流山市を拠点に、『お客さまの世帯状況を正確に把握』『受給資格の確認』『福祉事務所への申請手続き・同行』まで、あなたの生活再建を徹底的にサポートいたします。
