05面談で何を聞かれる?福祉事務所での相談を乗り越えるコツ
面談で何を聞かれる?福祉事務所での相談を乗り越えるコツ
生活保護の申請を検討する際、多くの方が不安に感じるのが「福祉事務所での面談」ではないでしょうか。「どんなことを聞かれるのだろう?」「厳しく質問されるのではないか?」「自分の状況をうまく伝えられるだろうか?」といった心配は尽きないものです。
しかし、福祉事務所の担当者は、困窮している方々を支援するための専門家です。面談は、あなたの生活状況を正確に把握し、適切な支援を行うために必要なプロセスです。この面談をスムーズに乗り越えるための「コツ」を知っておけば、不要な不安を感じることなく、安心して相談に臨むことができます。
今回は、福祉事務所の面談でよく聞かれる質問とその意図、そして面談を円滑に進めるためのポイントについて詳しく解説します。
福祉事務所の面談で聞かれること:質問の意図を理解する
福祉事務所の面談では、主にあなたの生活状況、資産、収入、借金、健康状態、家族関係、そしてなぜ生活保護を必要としているのか、といった点を詳しく聞かれます。それぞれの質問には明確な意図があります。
1:現在の生活状況と困窮に至った経緯
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質問例:
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「現在、どのように生活されていますか?」
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「生活費はどのように工面していますか?」
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「なぜ生活が困窮してしまったのですか?具体的な経緯を教えてください。」
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「最後に仕事をしたのはいつですか?辞めた理由は何ですか?」
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意図: あなたの現在の困窮状態を把握し、なぜ生活保護が必要なのかの背景を理解するためです。病気、失業、離婚、災害など、具体的な理由と時期を整理して伝えられるようにしておきましょう。
2:収入に関する情報
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質問例:
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「現在、収入はありますか?あれば、その種類(給与、年金、手当など)と金額を教えてください。」
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「過去半年~1年程度の収入状況がわかるもの(給与明細、年金手帳など)はありますか?」
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「仕送りや援助を受けていることはありますか?」
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意図: 生活保護の「補足性の原理」(他の収入や資産で最低生活費を賄えない場合に支給される)を確認するためです。正確な収入額を伝えることが非常に重要です。
3:資産に関する情報
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質問例:
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「現金や預貯金はいくらありますか?どこの金融機関に預けていますか?」
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「不動産(持ち家、土地など)は所有していますか?」
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「車やバイクなどの資産はありますか?」
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「生命保険や学資保険などに加入していますか?」
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意図: 生活保護は、原則として利用できる資産を全て活用することが前提となります。隠し立てせず、正直に伝えることが大切です。売却や処分が求められることもありますが、必要最小限の現金や、特別な事情(通勤、通院など)がある場合の自動車などは認められるケースもあります。
4:家族・親族に関する情報(扶養義務者)
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質問例:
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「ご両親、お子さん、兄弟姉妹はいらっしゃいますか?お住まいはどちらですか?」
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「ご家族とは、最近連絡を取りましたか?」
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意図: 民法上の扶養義務者(配偶者、直系血族、兄弟姉妹)からの援助が可能かどうかを確認するためです。「扶養照会」が行われることがありますが、DVや虐待の経緯がある場合など、照会が難しい特別な事情がある場合はその旨を伝えましょう。
5:健康状態と医療に関する情報
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質問例:
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「現在、健康状態はいかがですか?持病はありますか?」
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「通院している病院はありますか?診察券や健康保険証はありますか?」
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意図: 医療扶助の必要性を判断するため、また就労能力の有無を確認するためです。診断書などがあれば持参すると良いでしょう。
6:借金に関する情報
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質問例:
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「借金はありますか?もしあれば、どこからいくら借りていますか?」
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「返済状況はどうなっていますか?」
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意図: 借金がある場合でも生活保護は申請できますが、自立に向けて借金問題を解決する必要があるため、債務整理の必要性を確認します。正直に伝え、必要であれば専門機関(弁護士、司法書士、法テラスなど)への相談を促されます。
面談をスムーズに乗り越えるためのコツ
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事前準備をしっかり行う:
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聞かれるであろう内容を事前に整理し、メモにまとめておくと安心です。
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求められる可能性のある書類(身分証明書、通帳、給与明細、賃貸契約書など)は、可能な範囲で集めておきましょう。
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自身の生活歴や困窮に至った経緯を時系列で整理しておくと、説明しやすくなります。
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正直に、そして具体的に話す:
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事実をありのままに伝えましょう。隠し事をすると、かえって審査が長引いたり、信頼関係を損ねたりする可能性があります。
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漠然とした表現ではなく、「いつから」「いくら」「どこで」など、具体的な数字や時期を交えて説明すると、担当者も状況を把握しやすくなります。
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分からないことは正直に伝える:
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質問の意図が理解できない場合や、答えに詰まる場合は、「すみません、その点について詳しく教えていただけますか?」「確認しますので少し時間をください」など、正直に伝えましょう。
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曖昧な返答や嘘は、後の手続きに影響する可能性があります。
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感情的にならず、冷静に対応する:
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生活困窮という状況は精神的にも辛いものです。しかし、面談はあなたの生活を支援するためのものですので、感情的にならず、冷静に状況を伝えるように心がけましょう。
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担当者の質問に、攻撃的な意図がないことを理解しましょう。彼らはプロとして、制度に則って必要な情報を収集しています。
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まとめ:一人で抱え込まず、専門家を頼る
福祉事務所での面談は、生活保護申請の重要な一歩です。不安を感じるのは当然ですが、事前の準備と、質問の意図を理解することで、よりスムーズに進めることができます。
もし、面談内容の整理や必要書類の準備、面談への同行に不安がある場合は、いちかわ行政書士事務所にご相談ください。千葉県流山市を拠点に、皆様が安心して面談に臨めるよう親身にサポートさせていただきます。

